先日、2023年2月に購入したデスクトップパソコンが、2026年8月というわりと早いタイミングで突然起動しなくなりました。
「まだ3年半しか使っていないのに、まさか故障?」と焦ったのですが、結論から言うと原因はパソコン本体の故障ではなく、マザーボード上の「ボタン電池(CMOS電池)」切れでした。(「しーもすでんち」と呼びます)しかも、この症状は実は以前にも経験していて、その時は「パソコンの調子が悪いのかな」と思って新しいパソコンを購入してしまったほどです。今回、同じ症状が再発したことで、真の原因が「使い終わったら電源コードをコンセントから抜く」という自分の習慣にあったことに、ようやく気づきました。
同じように「パソコンが急に起動しなくなった」「BIOS画面すら出てこない」と困っている方、あるいは「ボタン電池」という言葉自体を知らない方の参考になればと思い、この記事を書いています。
目次
広告
こんな症状が出たら要注意
以下のような症状に心当たりがある場合、ボタン電池切れの可能性が高いです。
- 電源ボタンを押しても画面が真っ暗なまま何も表示されない
- メーカーロゴやBIOS(UEFI)画面が一切表示されない
- 以前は起動できていたのに、ある日突然起動しなくなった
- パソコンを長期間、あるいは使うたびにコンセントから抜いていた
- 時計の日時が毎回リセットされる、大きくズレている(電池切れの初期症状)
私の場合もまさにこの通りで、電源ボタンを押しても画面には何も映らず、「マザーボードが壊れたか、電源ユニットが故障したのか」と最悪のケースを想像してしまいました。
UEFIとは?
UEFI (ユーイーエフアイ) は、レガシBIOSに代わる新しい起動方式です。
最近のパソコンでは、ほとんどがこのUEFIを採用しています。UEFIでは「GPT (GUIDパーティションテーブル)」という形式を使うことで、
・2TBを超える大容量ディスクに対応
・多数のパーティションを作成可能
・起動が速く、セキュリティ機能 (セキュアブートなど) も強化
といったメリットがあります。
特に重要なのは、Windows 11を使うにはUEFIが必須という点です。
参考元:https://www.tegsys.net/download/20250922/75828/
原因はマザーボードの「ボタン電池(CMOS電池)」切れ
デスクトップパソコンのマザーボードには、「CMOS電池」または「ボタン電池」と呼ばれる、直径2cmほどのコイン型電池(多くはCR2032というリチウム電池)が搭載されています。
この電池は、パソコンの電源が入っていない間も、以下の情報を保持し続けるための電力を供給しています。
- BIOS(UEFI)の設定情報
- システムクロック(日時)
- ハードウェアの構成情報
このボタン電池が完全に消耗してしまうと、BIOSが正常に立ち上がらなくなり、結果として「電源は入るが画面には何も映らない」「そもそも起動しない」という症状につながります。パソコン本体やパーツの故障ではなく、電池切れという非常にシンプルな原因であることが多いのです。
なぜ電源コードを抜くと電池が消耗するのか
ここが今回私が一番気づかされたポイントです。
デスクトップパソコンは、電源コードをコンセントに挿したままにしておくと、パソコン本体の電源がオフの状態でも、電源ユニット(PSU)からマザーボードに微弱な「スタンバイ電力」が供給され続けます。このスタンバイ電力によってCMOS関連の回路が動くため、ボタン電池はほとんど消費されず、本来の寿命(数年〜10年程度)を維持できます。
ところが、使い終わるたびに電源タップのスイッチを切ったり、コンセントから電源コードを完全に抜いたりする習慣があると、このスタンバイ電力が供給されなくなります。その結果、BIOS設定や時計を保持する役割をボタン電池だけが常に担うことになり、通常よりもかなり早いペースで電池が消耗してしまうのです。
私は「使わない時は電源を抜くのが節電にも安全にもなる」と思い込んでいたのですが、これがボタン電池の寿命を縮める原因になっていたわけです。省エネや漏電対策としては間違っていない習慣ですが、その分ボタン電池の消耗は早まるということを知っておく必要があります。

自分でできる切り分け方法
いきなり分解する前に、以下の手順で「本当にボタン電池切れなのか」をある程度切り分けることができます。
- 電源ケーブルを挿し直し、コンセントに直接挿して起動してみる(電源タップの故障やスイッチ切り忘れの可能性を排除)
- モニターとの接続ケーブル(HDMI/DisplayPortなど)を挿し直す(単純な接触不良の可能性を排除)
- 電源ユニットのファンやLEDが光るか確認する(光らない場合は電源ユニット自体の故障の可能性)
- 上記で改善しない場合、マザーボード上のボタン電池切れを疑う
特に「以前は問題なく使えていたのに、長期間コンセントを抜いていたあとに起動しなくなった」というケースは、ボタン電池切れの可能性が非常に高いと言えます。
ボタン電池の交換方法
ボタン電池自体は数百円で購入でき、交換作業も難しくありません。以下は一般的な交換手順です。
- パソコンの電源を切り、電源コードをコンセントから抜く
- 静電気対策として、金属部分に触れて体の静電気を逃がす(または静電気防止手袋を着用)
- サイドパネルを開け、マザーボード上の丸いボタン電池を探す(銀色のコイン型電池)
- 電池ホルダーの小さな爪(ツメ)を横にずらしながら電池を取り外す
- 同じ型番(多くはCR2032)の新しい電池を、向き(+面)を確認して取り付ける
- サイドパネルを戻し、電源コードを接続して起動確認
- 起動後、BIOS(UEFI)画面で日時とBIOS設定を再設定する
電池を交換すると、BIOSの設定(起動順序など)や時計がリセットされることが多いため、交換後は忘れずにBIOS画面で設定を確認しましょう。
交換するときの注意点
- 必ず電源コードを抜いた状態で作業すること(感電・ショートのリスクを避けるため)
- ノートパソコンの場合は構造が異なり、分解が難しい・メーカー保証の対象になる場合があるため、無理に自分で分解せず、購入店やメーカーに相談することをおすすめします
- 購入から日が浅いパソコンの場合、分解によってメーカー保証が無効になる可能性があるため、保証期間内であればまずメーカーサポートに相談しましょう
- 電池の向き(プラス・マイナス)を間違えないように取り付けること
- 電池を交換してもBIOS画面すら出てこない場合は、電池以外(マザーボードや電源ユニット)の故障の可能性もあるため、無理に自己解決しようとせず修理業者に相談することも検討しましょう
再発防止のためにやるべきこと
今回の一番の教訓は、「電池を交換して終わり」ではなく、電池が早く消耗する原因になっていた習慣そのものを見直すことでした。
- パソコンを使い終わっても、電源コードは基本的にコンセントに挿したままにする(スタンバイ電力でボタン電池の消耗を抑えられる)
- 長期不使用(旅行など)で完全に電源を切りたい場合のみ、コードを抜く
- 電池には寿命があるため、購入から3〜5年程度を目安に、時計のズレなど初期症状が出ていないかを時々確認する
- 心配な場合は、次に開ける機会(パーツ増設など)にあわせて予防的に交換しておくのも一つの手
節電や漏電対策としてこまめに電源コードを抜くこと自体は悪いことではありませんが、ボタン電池の消耗が早まるというデメリットも理解した上で、自分の使い方に合わせて判断すると良いでしょう。
おすすめのCMOS電池・工具
交換に必要なものはシンプルです。
- CR2032 ボタン電池(パナソニックなど信頼できるメーカー品がおすすめ)
- プラスドライバー(サイドパネル開閉用、PCケースによっては不要な場合もあります)
- 静電気防止手袋(あると安心)
よくある質問(FAQ)
Q. ボタン電池が切れるとデータは消えますか?
A. SSDやHDDに保存されているデータ自体が消えることはありません。消える(リセットされる)のはBIOSの設定情報とシステム時計です。
Q. どれくらいの周期で交換が必要ですか?
A. 一般的には2〜5年程度が目安とされますが、常に電源コードを挿したままにしている場合はもっと長持ちすることもあります。逆に今回のように電源コードを頻繁に抜く習慣があると、それより早く消耗することがあります。
Q. ノートパソコンでも同じ症状は起きますか?
A. ノートパソコンにもCMOS電池(または内蔵バックアップ電池)は存在しますが、内部バッテリーからも電力供給される構造のため、デスクトップほど頻繁には起きにくいとされています。ただし機種によっては同様の症状が出ることもあります。
Q. 電池を交換しても直らない場合は?
A. マザーボードや電源ユニットなど、電池以外の部分に原因がある可能性があります。無理に自己判断で進めず、メーカーサポートやパソコン修理業者に相談することをおすすめします。
まとめ
デスクトップパソコンが購入から数年で突然起動しなくなった場合、故障だと決めつける前に「ボタン電池(CMOS電池)切れ」を疑ってみることをおすすめします。特に、使い終わるたびに電源コードをコンセントから抜く習慣がある方は、今回の私のケースと同じ原因である可能性が高いです。
私自身、以前この症状に遭遇した際は原因が分からず新しいパソコンを購入してしまいましたが、今回ようやく本当の原因にたどり着くことができました。この記事が、同じ症状で悩む方の時間とお金の節約に少しでも役立てば幸いです。
以前パソコンを買い替えた際の記事はこちらです。あわせてご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。




















コメントを残す